製品紹介

UF混合窒素(脱プラ肥料)


脱プラ緩効性肥料


●本肥料の特徴

①従来樹脂被覆肥料の被覆殻(マイクロプラスチック)の流出問題と肥料の脱プラスチック化の必要性

・従来のプラスチックを用いた樹脂コーティング肥料は省力化・施肥窒素の利用率向上に大きな役割を果たしてきましたが、近年、溶出後の被覆殻から生じたマイクロプラスチックの自然界(海洋)への流出が問題視されています。特に湛水栽培を行う水稲の栽培面積が大きい日本ではマイクロプラスチックの海洋流出要因として肥料も大きなウェイトを占めています。

・水田に施用された樹脂コーティング肥料は溶出後の被覆殻が水尻周辺に集まり、翌年の入水・代掻きによって系外流出すると考えられています。

・そこで、全農などの肥料業界団体は2030年までに「プラスチックに頼らない肥料(脱プラ肥料)」への転換を目標として掲げ、この目標に適合する肥料の開発が肥料メーカーには求められています。

②ウレアホルム(UF)主体の肥料

・本肥料はウレアホルム(UF)を90%配合した粒状肥料です。

・UFは土壌中で微生物により緩効的に分解・無機化されるノンコーティングの緩効性窒素肥料で、2030年の脱プラスチック政策に適合した肥料です。

ウレアホルムの窒素肥効期間は尿素(U)とホルムアルデヒド(F)の配合比率(U/F比)で制御されます。当社のUF混合窒素の原料UFはU/F=1.5モル品(肥効期間約5ヵ月)と2.0モル品(肥効期間約3カ月)があり、作物や気候に応じて2種類のUF混合窒素を使い分けています。

③高硬度+粒径の揃ったUF主体の粒状肥料

・当社のUF混合窒素肥料はUFと尿素を9:1の割合で使用し、尿素を核として、溶解したUFを尿素の核に吹き付けるような製法を取ることで配合肥料にマッチングする高い硬度と安定した粒径を実現しています。

全窒素は38%と高く、従来の樹脂被覆尿素とほぼ遜色のない高窒素の脱プラ一発型肥料をご提案できます。

原料UFにU/F比1.5モル品と2.0モル品の2種類を使用することが可能で、肥効期間の異なるUF混合窒素肥料を使い分けることができます。

・緩効性割合やモル比を地域の気候や品種に応じて変更し、地域・品種に適合したオリジナルの脱プラ一発肥料をご提案することができます。

 ※成分例:20(内緩効性窒素12%)-10-10-Mg2、27(内緩効性窒素18%)-10-10、30(内緩効性窒素26%)-4-4 等


●施用方法と施用事例

①水稲などの緩効性(省力型)の基肥に

※ご使用にあたっては地域の施肥基準(施肥窒素基準)に応じて施肥量を決定してください。

②施用事例(1) 基肥側条施用事例(宮城県農業高校様への委託試験)

・宮城県名取市の宮城県農業高校様に脱プラ肥料の基肥施用試験を委託

UF混合窒素由来窒素を全窒素の75%含む「UF入り20-10-10-Mg1」を窒素6kg/10a分側条施用し、穂肥は施用していない。

・全刈り収量を測定いただいた結果、粗玄米重では-20kg/10aと少なかったが、脱プラ区は肥大が良く、くず米が少なかったため、精玄米重では-6kg/10aとほぼ差がなかった

・担当教諭によると、中干し期まではやや窒素肥効の発現が遅い印象があり、茎数が少なかったが、中干し後に窒素肥効が現れる感覚があり、その分一穂ごとの充実は良かったとのことだった。

・当社も肥料を提供し、試験委託した宮城県農業高校様は#ZEROマイプラ(Ⅱ)と冠した脱プラ肥料の研究プロジェクトを展開し、「第8回 全国ユース環境活動発表大会(環境再生保全機構HPへリンクします。)」など様々な大会で活動成果が認められ、最優秀賞を受賞されています。

③基肥全層施用事例(新潟県新潟普及指導センター様管内生産者への委託試験)

新潟県新潟農業普及指導センター様に調査を委託する形で新潟県新潟市の生産者圃場にて脱プラ肥料の基肥施用試験を実施。

UF混合窒素由来窒素を全窒素の57%含む「UF入り20-10-10-Mg2」を窒素4.8kg/10a分全層施用し、穂肥は脱プラ区、樹脂被覆区ともに窒素量として1.1kg/10aを出穂10日前に施用した。

・坪刈り収量調査の結果、精玄米重は-8kg/10aとほぼ差がなく、生育終盤の窒素肥効低下によって値が低下しやすい、登熟歩合や千粒重が低下しておらず、樹脂被覆肥料を用いた肥料との差は見られなかった

・普及所調査担当者によると、出穂10日前ごろにはやや葉色が低下し始めたが、試験区と慣行区の生育に差はなく、新潟県のような従来から緩効性肥料+穂肥1回施用を実施している地域では脱プラ肥料に問題なく転換できるのではないかとのことだった。


●成分・製品カタログ