古細菌(アーキア archaea)143)
古細菌(こさいきん)またはアーキアとは、生物分類の最上位に位置するドメイン※と呼ばれる分類群に属している生物群の名称です。古細菌は、細菌、真核生物(真菌(カビ)、アメーバやゾウリムシ、植物、動物)とともに生物界を3分する生物群の一つです。古細菌は、その形や大きさなど、細菌に近い部分も多いですが、細菌とは全く異なった生物群です。細菌、古細菌ともに、細胞に核やミトコンドリアなどの細胞小器官を持たない原核生物ですが、進化の過程からみれば、生命の起源から細菌と古細菌に分かれ、古細菌から真核生物が進化したと考えられています。
古細菌は間欠泉、海底熱水噴出孔、火山、油田、塩田、塩湖、強酸・強アルカリ環境などから多数発見されています。強力な放射線に曝されても生き残るものも発見されています。古細菌は極限環境に生息する生物というイメージが強いかもしれませんが、水田や沼などに生息するメタン生成菌をはじめ、土壌などにも広く分布しています。農業上重要なアンモニアから亜硝酸への酸化を担うアンモニア酸化細菌や硫黄の酸化(作物による硫黄吸収を可能にする)を担う硫黄酸化細菌等の一部は古細菌です。 |