図7-1・2 土壌微生物・・・それは、養分の貯蔵源・供給源であり物質循環の担い手である

  ↓ 図7-1 作物養分の貯蔵源・供給源としての土壌微生物の役割
↓ 図7-2 土壌中の有機態窒素の無機化過程と土壌微生物

Organic701.gif
 植物は生育に必要な窒素養分の多くを”地力”に依存しています。水稲においてはより顕著ですが、畑作物も例外ではありません。作物を健全に育て、安定した収量を得るためには”地力”を高める必要があります。土壌改良の最も大きな目的は、”地力”を培養することと言っても過言ではないでしょう。
では、”地力”とは何でしょうか?”地力”をどう解釈するかによってその定義も変わってくるでしょう。しかし、養分供給の側面から”地力”を見ると、”地力”の本体は土壌微生物(微生物バイオマスという)だと言っても過言ではありません。普通の土壌中には、10a当たり約12kgの微生物バイオマス窒素(生きている微生物に含まれる窒素)が存在しています。10aの畑の耕土には、約1,200kgもの微生物が存在し、このうち約70%が糸状菌(カビ)の菌糸です。この微生物バイオマス窒素は、最大容水量の60%水分、地温摂氏25度の環境で4週間に30%弱の窒素が無機化してきます。ゆっくり、でも着実に作物に利用されていきます。もう一つ、土壌有機物に含まれる窒素も微生物によって分解、無機化され作物に利用されます。
自然の植物はこれらの地力窒素や水に含まれる養分で生育しています。しかし、農作物は人が少しでも多くの収量を得るために肥料が施されます。地力だけでは足らない養分を肥料で補う訳ですが、その肥料も作物に利用された養分の大半は一旦土壌微生物の体を経由します。作物の健全な生育のための”地力”をつけるためには、土壌の微生物の量(数ではない、バイオマスという)を増やさなければなりません。
gototop.gif
 Organic702.gif
 土壌中には様々な物質が存在し、それらが複雑に変化しながら植物の生育に密接に関わっています。図7-2には一例として有機態窒素がアンモニアや硝酸に変化し、作物に吸収される過程を模式的に示したものです。有機窒素化合物は、根や微生物の分泌する酵素の働きによって形を変えていきます。有機リン酸やその他の様々な物質も同様な過程を経て作物に吸収されます。土壌中で物質循環が円滑に営まれないと土壌の生態系、言い換えるなら作物の健全な生育はありません。そのために土壌微生物は大変重要な働きを担っています。
gototop.gif

 

Copyright Seiwa Fertilizer Ind. Co., Ltd.