図5-6・7 リボ核酸(RNA)のもつ高い施用効果

 

organic506.gif

 

organic507.gif

  森(1986)はリボ核酸(RNA)の施用効果について興味ある試験結果を報告しています。
RNAは、本文でも書いたように糖と塩基が結合したヌクレオシドにリン酸が結合したヌクレオチドが長く連なった鎖状の化合物で、デオキシリボ核酸(DNA)とともに遺伝を司る生物共通の物質です。このRNAを唯一の窒素源として土壌に施用し、裸麦を栽培しました。人の血液中に存在し、酸素を運搬する役割を担っている蛋白質であるヘモグロビンについても試験しました。その結果、左の図5-6に示した結果が得られました。土壌の種類や施用量によっても若干異なっていますが、RNAに高い増収効果が認められました。
RNAは非常に大きな分子です。通常そのままでは簡単に吸収されないと考えられます。さらには、土壌に加えられると土壌微生物によって分解されるため、長期に渡って土壌に存在するとは考えられません。そこで、森(1986)は次の実験を行いました。
先ほども述べたようにRNAのような高分子化合物は簡単には根から吸収されません。さらにはRNAは土壌中では微生物によって分解されるため、長期に渡ってそのままの形で残存するとも考えられません。森はRNAの分解産物が効果を出しているのではないかと考えました。RNAまたは、RNAを構成する4種類のヌクレオシドを施用し、図5-6と同じように裸麦を栽培し、図5-7aの結果を得ました。RNAには非常に高い増収効果が認められましたが、RNAの部品であるヌクレオシドには効果が認められませんでした。さらにこの結果を補強する実験(図5-7b)を行っています。RNA施用直後に裸麦を植えた場合と土壌にRNAを添加後一定期間培養し、土壌中でのRNAの分解が進んでいると思われる状態で植えた場合を比較しました。すると、培養の有無にかかわらず高い施用効果が認められましたが、ヌクレオシドには効果がありませんでした。これらの結果だけではRNAが効いているのか、何らかのRNA分解産物が効いているのか結論を下すことはできません。しかし、図5-5に示した試験ではRNAをごく少量溶かした培養液でトマトを水耕栽培した結果を紹介しました。この場合は、頻繁に培養液を更新し、微生物等による分解を最小限に抑えた結果です。トマトは高分子有機化合物であるRNAを直接吸収し、何らかの作用によって生育が刺激されたと考えられます。
これらの結果を総合すると、RNAが直接効いているのか、土壌中でRNAが分解して出来た何らかの物質が効いているのかは定かではありませんが、少なくともRNAには植物に対する高い施用効果があることは間違いないと考えられます。

 

 

 

Copyright Seiwa Fertilizer Ind. Co., Ltd.