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有機肥料講座
講座開設に当たり、一言

  過去には、どちらかといえば化学肥料重視の考え方が主流を占め、昔に比べて飛躍的に生産量が増大しました。反面、いろいろな弊害(多くは過剰施肥と連作が原因か?)が見られるようになり、有機質肥料が見直されるようになりました。これを契機に、単に化学肥料か、有機質肥料かという問題に止まらず、現代農業の様々な問題が議論され、農業の未来にとって有益な示唆が与えられました。さらに、消費者の安全志向、環境問題など、生産者、消費者を問わずオーガニックへの関心が高まって参りました。有機農産物は、改訂JAS法によって厳しく規制されるに至りました。ところが、日本にもBSE(狂牛病)の発生が確認されるに至り、2001年10月4日からは動物性有機肥料を使った肥料の製造が全面的に禁止されました。少しずつ規制は緩和されておりますが、消費者に動物性有機肥料に対する無用な不安を与えることになった側面もあったのではないでしょうか。

 有機質肥料は優れた肥料です。しかし、これまでは、ややもすると感覚的、人々の思いこみなど、一部には盲目的に支持されてきたことも事実だと思われます。科学的には”怪しい”ことも多々あるように思われます。

 「有機肥料は安全かつ良いもの」、「化学肥料は悪いもの」、といった考え方は明らかに間違いだと思われます。化学肥料で作った農産物は身体に悪い。有機農産物は身体に良い、といった考えがあるようですが、これも明らかに間違いです。

 事実、養液栽培という肥料養分を含む水溶液(当然無機化学肥料のみ)だけを与えられて育てられた野菜には品質的に非常に優れた物がたくさん生産されています。植物工場などと言われる人工的に制御された施設においても無農薬で、一般的な土耕栽培されたものと同等以上の野菜が生産され、流通されるようになってきました。

 「有機肥料を使うと、化学肥料より美味しくて、より栄養価の高い物が作りやすい」、というのが正解だと考えています。私たちは、北海道で有機農産物栽培を実践していますが、有機と無機の肥料を使い分けています。工場では化学肥料もたくさん作っています。

 本講座もほぼ完成し、最終チェックに入った矢先、BSE問題が発生しました。そのために、一旦は本講座の公開を中止しました。しかし、有機JAS法の制定、狂牛病にゆれる今日、今こそ有機肥料を科学的に見直し、生産者と消費者双方に、有機質肥料を正しく理解して頂きたいという思いから、講座の一部を改訂し、公開にこぎ着けました。少しでも有機質肥料に対する理解が進むならば幸甚に存じます。本講座開設に当たり、多数の諸先輩方の貴重な研究成果を引用させていただきました。深く御礼申し上げます。

 筆者なりに多数の文献を調べ直し、記述に関しては十分に注意を払ったつもりですが、記述の間違いや解釈の相違など、ご批判や訂正などお持ちの方も多いと存じます。本講座に対するご批判、ご意見、ご質問等をお待ちしております。 下記フォームにご記入頂き、メールを頂戴できますれば幸いです。

文責:清和肥料工業株式会社・営業本部 真野良平
(改訂版第1稿:2004年 7月15日)
(改訂版第2稿:2004年 7月23日)
(改訂版第3稿:2011年 4月 1日)
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1. イントロダクション
 本来施肥量と作物の収量には正の相関があるはずです。左のグラフは、多くの作物で無機肥料と有機質肥料で、その窒素施肥量と収量との関係を見たものです。無機肥料では、施肥量と収量の関係が明確ではありません。しかし、有機質肥料は、施肥量と収量が比例関係にあります。有機質肥料の特徴を表す貴重なデーターではないでしょうか。
 だからと言って自ずと施肥量には限界があります。有機質肥料といえども過剰施肥は禁物です。
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