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ながいも豆知識
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  第2章 長いもの仲間たち
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icon 植物としてのヤマノイモ類
icon 日本で食用にされているヤマノイモ類
icon 日本の山野に自生するヤマノイモ類
icon 外国のヤマノイモ類
この章では、ながいもをはじめ、ヤマノイモ類を植物の一つとして眺めてみたいと思います。植物分類学からみることで、食用ヤマノイモ類の複雑怪奇とも言える名称の問題を整理します。日本の山野に見られる主なヤマノイモ類、外国の種類なども紹介しました。

凡 例
植物分類学上の名前:緑色のカタカナ表記
一般名または品種名:青色のひらかな又は漢字表記
 ヤマノイモ科に属する植物は、熱帯、亜熱帯地方を中心に、世界に10(6?)属約650(750)種が分布し、そのうち約600種がヤマノイモ属Dioscorea です。これらの植物を総称してヤムYam)といいます。一部は東南アジアからアフリカなどの広い範囲で重要な食糧となっています。ナガイモヤマノイモなど温帯地方に起源をもつものは、むしろ珍しい例と言えます。ヨーロッパには2種、北米では2種が知られているのみです。
 日本では、ヤマノイモ科ヤマノイモ属に含まれる約10種が知られています。山野に普通にみられるオニドコロDioscorea tokoroなど、トコロの仲間もヤマノイモ属です。それらのいずれもがつる性の多年草です。にわかには信じがたいようですが、ユリチューリップなどユリ科に近い植物です。
 現在日本で主に食用にされているのは、植物分類学上の和名で言えば、ヤマノイモ(ジネンジョウ)(Dioscorea .japonicaナガイモDioscorea oppositaダイショDioscorea alataの3種ですが、ナガイモダイショは外来の植物です。江戸時代にえどどころという記述がみられますが、オニドコロヒメドコロDioscorea tenuipesの栽培品だと考えられています。いずれの根もそのままでは食べられないのですが、木灰汁で煮て流水にさらせば食べられるようになるそうです。
 植物分類学上の和名、ナガイモヤマノイモの名称については、書籍によっても異なっていました。原色日本植物図鑑(保育社)、原色日本薬用植物図鑑(保育社)、週間朝日百科・世界の植物98(朝日新聞社)、農業技術体系2000年版(農分協)ではDioscrea oppositaナガイモDioscorea japonicaヤマノイモと記されていました。改訂追補野菜園芸大辞典(養賢堂)、野菜園芸ハンドブック(養賢堂)では、D. oppositaヤマノイモD. japonicaジネンジョウと表記されていました。このホームページでは前者の記述に従いました。
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日本にある食用ヤマノイモ類
日本で食用にされるヤマノイモ類
A: ながいも一年いもとっくりいもなどとも言う)
   
B: いちょういも銀杏いも物掌いもやまといもなどとも言う)
   
C: つくねいも大和いも伊勢いも丹波やまのいもなどとも言う)
   
D: ヤマノイモ:(自然薯(じねんじょう)などとも言う)
   
E: 大薯ダイショタイショまたはダイジョと読む)
為芋大薯の品種
   

ナガイモの茎 ながいもの根
左:ナガイモの茎(つるは右巻き)
右:根(ながいものイモ)

つくねいも群の葉 いちょういも群の葉 ながいも群の葉
ナガイモの葉
 日本で食用にされている、「ながいも(写真A)」、「いちょういも(写真B)」、「つくねいも(写真C)」と呼ばれているいもは、植物学的にはいずれも「ナガイモ」という一つの種です。各地方で長い年月の間に長いもの、ばちのような形のもの、げんこつ型のものが出来てきました。”ながいも”、”いちょういも”、”つくねいも”は、いずれも”ナガイモ”の品種です。しかし、これらの品種は完全に固定されたものではないようです。「ながいも」を作っていても、長さの短いものや丸みを帯びたものなどがしばしば見られます。また、「つくねいも」なのに丸くないもの等があります。
 「ナガイモ」は中国雲南地方原産で、相当古い時代に日本にやって来ました。元々長い形だったと思われます。中国では「ナガイモ」が食糧、漢方薬として利用されています。
 これらのうち、”ながいも”は主に北海道、東北、長野県、鳥取県などで栽培され、関西で人気があります。
 「いちょういも」は主に関東地方で栽培されています。関東では圧倒的にこのいもに人気があります。
 「つくねいも」は、主に奈良県、兵庫県・丹波地方(「丹波やまのいも」、皮が黒)や三重県(「伊勢いも」、皮が白)、京都府などで栽培されています。広く出回ることは少なく、主に産地周辺で消費されています。
 これらは地方ごとに違った名前で呼ばれていることもあり、さらに話をややこしくしています。例えば関東で圧倒的に人気の高い、「いちょういも」は、「やまといも」と一般に言われています。しかし、元来「大和いもやまといも」とは、「つくねいも」のことであり、九州で「つくねいも」と呼ばれているのは「大薯(ダイショ)」のことです。何とも複雑怪奇です。
 もう一つ日本で一般的なものに「ヤマノイモ」(「自然薯じねんじょう」写真D)があります。こちらは「ナガイモ」とは全く別の植物で、山野に自生し、長いクネクネとしたいもが取れます。品質的には非常に優れていますが、栽培が困難で、最近になってごく一部で栽培されているだけです。 奄美地方や九州の一部では「大薯ダイショ、写真E)」が栽培されています。「大薯」は元来南方系のいもで、日本では台湾より導入された「為芋ためいも」が作られています。「為芋」はお菓子の原料などにも使われますが、品質は優れています。一般に出回ることはほとんどありません。「大薯ダイショ)」の仲間は熱帯から亜熱帯地域に広く分布し、重要な食糧として利用されています。
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 日本の山野に自生しているヤマノイモ類は約10種が知られています。そのうち、誰もが知っているのはヤマノイモ(自然薯、ジネンジョ)でしょう。そのほかにもタチドコロなどのトコロ類やまいもの仲間です。食用にできるのはヤマノイモだけです。そのほかの多くは有毒物質を含み、特別な処理をしない限り決して口にしてはいけません。自然薯と間違って食べて、口の中が腫れた人がいます。
 日本で一般に食用にされているながいもいちょういもつくねいもなどが含まれるナガイモは中国雲南省の原産で、日本には相当古い時代に渡来したものと考えられ、まれに野生化したものが見られます。
>> 日本産ヤマノイモ属(Dioscorea)の検索表
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ヤマノイモ(ジネンジョウ) Dioscorea japonica
林や藪にふつうの多年草。毎年夏から秋にかけて多肉で長大な根(いも)が株元から垂直に伸びる。茎は春から伸びて物にまとい無毛。葉は対生、心状披針形、鋭尖頭、長さ5-10cm、全緑、両面無毛、小さい紫斑がある。葉腋には球芽がある。花は8月、白く、雌雄異花。本州以南、台湾、中国、朝鮮半島に分布。根、球芽を食用にする。自然薯(じねんじょ、じねんじょう)ともいう。
ヤマノイモの茎葉とむかご ヤマノイモの花 ヤマノイモの根(いも)
茎葉とむかご 根(いも)
ヤマノイモ(ジネンジョウ)
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ニガガシュウ
ニガガシュウ
ニガガシュウ D. bulbifera
山麓、川岸などに見られる多年草。塊根は大きく円形、外皮は黒、ひげ根が多い。茎は長く、葉は互生、長柄がある。葉身は円心形、鋭尖頭、全緑、7-11脈があり、無毛、幅5-12.5cm、柄は3-9.5cm。花は8-10月。雄花は無柄、雌花は長い穂状花序をだす。雌雄異株。関東以西、朝鮮半島、中国、マレーシア、インドに分布。
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オニドコロ オニドコロ
オニドコロ
オニドコロ D. Tokoro
原野にふつうな多年生蔓草。地下茎は横に伸び、不規則に短く分枝し、ひげ根をだす。茎は長く伸びて物にまとい、無毛。葉は互生、円心形、鋭尖頭、幅5-11cm、表面無毛、裏面脈上に不明の小凸起。葉柄3-7cm。花は7-8月。雄花は1.5-2mmの柄があり、雌株は葉腋から細長い穂状花序を下垂する。雌雄異株。地下茎は苦いが、ひげ根が多いので、老人のひげに見立て、正月に床に飾り長寿を願う習慣がある。北海道、本州、四国、九州に分布。
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ウチワドコロ
ウチワドコロ
ウチワドコロ D. nipponica
山地に生える多年草。地下茎は多肉の円柱形で地中に横たわる。茎は長く、物にまとい、短毛がある。葉は互生、広卵形から卵心形、質はかたく、幅5-11cm、掌状に浅裂し、11脈、表面に毛を散生、裏面脈上に毛がある。葉柄は3-10cm、基部に小突起はない。花は7-8月。雄花序は斜上し、複穂状、長さ10-30cm。雌花は無柄、鐘形、花被片は長さ1mm、開花しない。北海道、本州、朝鮮半島、中国に分布。
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ヒメドコロ ヒメドコロ
ヒメドコロ
ヒメドコロ D. tenuipes
原野にふつうな多年生蔓草。地下茎は横に伸び枝を分かつ。茎は長く伸びて物にまとい、無毛。葉は互生、長柄があり、柄の基部に普通1対の小突起がある。葉身は心形から心状披針形、鋭尖頭、しばしば基部は耳状態となり、長さ5-11cm、質薄く、無毛、下面脈上に時に微凸起がある。花は7-8月。花序は下垂し、長さ5-20cm、雄花は3-4mmの柄を有する。本州(関東以西)、四国、九州に分布。
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カエデドコロ
カエデドコロ
カエデドコロ D. quinqueloba
山野に生える多年生蔓草、雌雄異株。地下茎は横にはう。茎は無毛、長く物にまとう。葉は長柄があり、柄の基部に1対の小突起がある。葉身は心形、5-7中裂し、裂片は鋭頭、両面に短毛がある。花は7-8月。雄花序は円錐状、雌花序は下垂する。雄花序は複穂状、雌花序は穂状。本州中・西部、四国、九州、沖縄、朝鮮半島、中国に分布。山地に生える多年生蔓草、雌雄異株。地下茎は太く横にはう。茎は長く伸びて物にまとい、無毛。葉柄の基部に突起はない。葉身は心形で7-9中裂、縁は普通不揃いな小波状。頂裂片と大きな側裂片は鋭尖頭、表面無毛、下面の脈上に小凸起があるかまたは無毛、長さ12-19cm。花は6-7月。本州(福島県以南)、四国、九州に分布。伊豆七島には、シマウチワドコロ)が分布している。
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キクバドコロ
キクバドコロ(モミジドコロ)
キクバドコロ(モミジドコロ) D. septemloba
山野に生える多年生蔓草、雌雄異株。地下茎は横にはう。茎は無毛、長く物にまとう。葉は長柄があり、柄の基部に1対の小突起がある。葉身は心形、5-7中裂し、裂片は鋭頭、両面に短毛がある。花は7-8月。雄花序は円錐状、雌花序は下垂する。雄花序は複穂状、雌花序は穂状。本州中・西部、四国、九州、沖縄、朝鮮半島、中国に分布。山地に生える多年生蔓草、雌雄異株。地下茎は太く横にはう。茎は長く伸びて物にまとい、無毛。葉柄の基部に突起はない。葉身は心形で7-9中裂、縁は普通不揃いな小波状。頂裂片と大きな側裂片は鋭尖頭、表面無毛、下面の脈上に小凸起があるかまたは無毛、長さ12-19cm。花は6-7月。本州(福島県以南)、四国、九州に分布。伊豆七島には、シマウチワドコロ(D. septemloba ver. sititoana)が分布している。
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タチドコロ タチドコロ
タチドコロ
タチドコロ D. gracillima
山地に生える多年生蔓草、雌雄異株。地下茎は横に伸び、分枝する。茎は丈夫で初めは立つが、後に先が物にまとい、無毛。葉は長柄があり、基部に小突起はない。葉身は心形から超楕円状心形、鋭尖頭、縁は浅く波状、不揃いな細凸起がある。質少しかたく、両面無毛、長さ8-14cm。花は6-7月。雄花序は複穂状、花は黄色で開花、雌花序は穂状で下垂する。本州、四国、九州、中国中部に分布。
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ツクシタチドコロ
ツクシタチドコロ
ツクシタチドコロ D. asclepiadea
雌雄異株。地下茎は横走する。茎の株は立ち、上部は物にまとう。葉は心状披針形、鋭尖頭、株は波状となり、基部は浅くまたは深く心形、縁に不揃いな凸起があり、質はかたく、長さ6-12cm。葉柄の基部に小突起はない。花は4-5月。雄花序は複総状、雄花は1.5-3mmの柄を有する。天草、宮崎県、鹿児島県に分布。
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イズドコロ
イズドコロ
イズドコロ D. izuensis
地下茎は多肉で横にはう。茎は伸びて物になとい、長い白毛があるが、上部はやや無毛。葉は互生、葉柄は長く、基部に小突起はない。葉身は三角状披針形、基部は浅く心形、縁は大きく波状、不揃いな小凸起があり、表面無毛、裏面は無毛または脈に沿って短毛がある。乾くと黒色となり裏面は帯白色、長さ6-10cm。花は7-8月。雄花序は複穂状、花被は乾くと黒色、花被片は長さ1mm。雌花穂は下垂し、花被片は長さ0.8mm。伊豆半島に分布。
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 亜熱帯〜熱帯地域では、「ヤムいも」と呼ばれる大小様々なイモが重要な食糧となっています。「ヤムいも」の多くは「ダイショ」だと言われています。「ダイショ」の原種は確認されていませんが、インドから東南アジア地域にかけての地域であろうと考えられています。「ダイショ」のいもは多様な形、大きさがあり、50s近くになるものもあるようです。
アフリカ東部の市場に見るダイショ カシュウイモ ソメモノイモ ディオスコレア・ディスコロル
アフリカ東部の市場に見るダイショ カシュウイモ ソメモノイモ
Dioscorea rhipogonioides
ディオスコレア・ディスコロル
Dioscorea discolor
毒抜きをしてイモとムカゴ(紫色でこぶし大)を食べる
沖縄南部にもあり、染料にする
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